うそつき

「好きだ。結婚してくれ」
「いや〜」
「なあ、たのむよ」
「いやよいや。絶対いや」
「じゃあ、お前なんで、2年も同棲したんだよ」
「したから、わかったの。あなたは、結婚する相手じゃないって」
「え〜、そんな事今言われても・・・」
「今日、言おうと思ってたの。別れようって」
「え〜、おれがプロポーズしようって思ってた日に」
「思っただけじゃなく、したじゃん。迷惑よ」
「なんだよ。せっかく、お前の好きなティファニーの指輪100万もしたのに」
「え、ティファニー!それも、100万!」

「ねえ、悪いと思うけど、それだけ頂けないかしら」

「そんな、急に猫なで声しても」
「ねえ」
「いやだ。これは明日返す」
「返せなかったら、質屋に持って行く!」
「質屋なんて十分の一だよ。ちょうだいよ」
「なんで、やらなきゃならないんだよ」
「だって、あたしのために買ったんでしょう。違う!」
「まあ」
「あたしに、くれるために買ったんでしょう!」
「そりゃ、そうだけど、おれのプロポーズことわったじゃん」

「だから、結婚指輪はいらないから!」

「婚約指輪はいるちゅーのかい!」
「そうよ」
「婚約だけ、してあげる」
「結婚しろ!」
「いや!」
「じゃ、婚約って何だよ」
「婚約中は他の人と結婚しないから」
「なんだよ。それ」

「だから、ちょうだい」
「やだよ」
「いいじゃない、ほら見てぴったし。」
「あたりまえだろ!お前の為に買ったんだからって、なんで指にしてんだよ」
「あたしのだからよ」

「かえせ」
「きれい〜」
「かえせ!」
「いや」
「じゃ、結婚しろ」

「・・・・うう〜わたしだって、わたしだって本当はあなたと結婚したかった」
「だけど、だけど、」
「なんだよ」
「だけど、できないのよ!」
「じつは、・・・私は子供ができないからだなの!」
「え!」
「それで、それで、・・・」

「いいよ!」
「え!」
「いいよ、それでも」
「え!」
「お前が好きだから、」
「え!・・・本当・・・」

「でも、実は私借金があるの」
「いいさ!お前が好きだから、」
「500万、いや2000万!」
「いいさ!一緒に返そう」
「やっぱ、1億」
「がんばろう!」

「それに、私、本当はフィリピン人なの」
「いいさ!君が君なら」

「本当は癌なの!あと、1年の命かも」
「いいさ!」

「本当はおとこだったの」
「いいよ!おれも男だ!」

「私、宇宙人なの」
「平気さ」

「ハゲなのよ」
「大丈夫!」

「実は50才なの」
「僕は25、半分だね。大丈夫」

「わたし、実は・・・・」

「実は・・・・・」

「なに?言ってごらん」

「実は・・・」

「うそつきなの!」

「知ってる!」

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