アダムとイブ

A型のアダムとB型のイブが言い争っていた。
好き勝手な行動のイブをアダムがなんとかしようとしてのいつもの喧嘩だった。
AB型の神がたまに二人をなだめるのだが、所詮二重人格の神様はそれほど気には止めていないようだった。

しかし、O型の女神だけはアダムとイブを真剣に心配していた。
たまにふたりに調和を教えようと必死に説くのだが、
アダムとイブは聞く耳を持たなかった。
しかたなく女神は遠くから二人を見守る事にした。
生真面目なA型のアダムはイブをいつも心配していたが、
イブはその束縛がイヤだった。

楽園というからにはB型のイブのような自由な生き方が一番良いはずなのだが、アダムはそれに気が付かなく規律を求めた。

だが、楽園には規律は無かった。ただひとつを除いては、、、
そんな時だった、蛇がイブにりんごを進めたのは。
実はイブはりんごなど何の興味も無かったのだが、
規律を求めたA型のアダムが自由なB型のイブを毎日のようにりんごの木の前に連れて行って、せっせとこのりんごの木の説明をしたのだ。

イブはうんざりだった。そんな時、蛇がイブにりんごを進めた。
イブは多少のためらいはあったが、今までの反発もありりんごを食べた。
結果、知恵を授かり、羞恥心を知った。

イブは潤んだ目でアダムを誘い、りんごを勧めた。
生真面目なA型のアダムだが、初めてみるイブの色っぽさの誘惑に負けた。そしてりんごをかじった。
アダムも知恵を授かり、羞恥心を知った。
ここで初めてアダムとイブは男と女を意識した。

知恵の樹であるりんごをかじって授かった知恵、それは子供の作り方だった。
AB型の神様は怒って、二人を楽園から追放したが、実は怒っていなかった。リンゴの実を食べさせることが神様のねらいだったからだ。自立心、とO型の女神は遠くから小さくうなずいた。
二人は楽園を追放されたが、楽園自体その後すぐに解散となった。
それこそが神様が二人に知恵の実を食べさせたという証拠だ。

神様が本当に楽園を重視していたなら、
今もこの世に楽園は残っているはずなのだから。

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