おしおき

私は今、お仕置きを受けるために並んでいる。
たぶん、この行列はおしりぺんぺんだと思うが、
他の行列と少し入り組んでしまって、確認はできない状態だ。
先頭まではまだまだ果てしないらしく,先は見えない。
何千人と並んでいるように見えるが、何百人かも知れない?
ともかく、全員が男のようだ。高校生から老人くらいまで、
どういったらいいだろうか?
そうだ、まるで、免許センターに更新をしてもらうために並んでいるような感じだ。

なぜ私がこのおしりぺんぺんの列に並んでいるかと言うと、この前のゴミ出しの日に分別をしないでだしたら、ある日、「あなたの罰はおしりぺんぺんです。つきましては0月0日に以下のところで罰の交付をうけてください」という文面のはがきが区役所から送られてきたからだ。
もちろん、最初はただの冗談だと思ったが、おしりぺんぺんという淫微な言葉にM心+遊び心がくすぐられて、ここまで来てしまった。
それにしても、さっきから1時間も並んでいるが、いっこうに減る様子もなく、むしろ列は増えていた。

「そんなにきょろきょろするところをみると、あなたは初めてですね」
となりの列のにやけた親父が話しかけてきた。
「え、ええ」
「ところで、ここは本当にアレの罰を受けるためにみなさん並んでいるのですか?」
「ええ、当然でしょう。」
「私なんか、これだけが楽しみで生きているといっても過言ではないですよ。」
「そうですか?」
列が動いたせいか、すこし離れてしまった。
「そうか、楽しいのか!」

そこからどれくらいたっただろうか?
ついに自分の番が回ってきた。
美人の看護婦さんが、
「ズボンをぬいでお尻をだしてください」
といった。
「は、はい」と私は顔を赤らめてお尻をだした。
心臓がどきどきしてきた。
「では、わたしの膝の上にうつぶせに乗ってお尻を出してください」
「は、はい」
「は〜い、じゃいきます。」
「はい!」私はお尻に力をこめた。
「悪い子!」ピシ!
「今度やったら許しませんよ」ピシ!
ああ、なんという心地よい力の入れ具合だろう。
至上の喜びとはこのことだろうか?
何度叩かれたろうか?
「はい、おしまいです」
「もう、本当にしないでくださいね」
美人看護婦さんがちょっと怒って笑っている。
「あ、ありがとうございます」
私は顔を真っ赤にして、出口に向かった。

ぼーとしていたせいか、ドンと人とぶつかった。

さっきの親父だ。

目に青タンができていて、頭から血が出ている。
完璧にぼこぼこにやられた感じだ。

「大丈夫ですか!?」
「ははは」
親父は笑って帰っていった。
私はその後ろ姿を見ながら、
「しまった、なにをやったらその罰か聞けばよかった」と悔やんだ。

▼Back

presented by kuwajima