好きな子がいる

好きな子がいるのだが、
僕はこの気持ちをどう伝えようか迷っている。
彼女は世界で一番美しい
そしてとてもいい匂いがする
踊りもうまく、彼女が踊り出すと回りの男どもは狂気のように叫び出す。
僕も負けずに彼女の前で踊ったが、残念ながら相手にされなかった。
彼女にこの気持ちをどう伝えたらいいだろう?
言葉や踊りでは何百回と断られている。
僕の叫びはどうしても届かない
彼女にたくさんの食べ物を運んだ事がある。
だけど、みんな長老に取られてしまった。
僕は考えた
僕は考えた
一日中、森を1人でうろうろした。
木に登りじーと良いアイデアが浮かぶまで
僕は考えた
やがて日が落ち始めた
夕焼けの太陽は真っ赤で大きく、
まるで、彼女のおしりのようだ。
ああ〜、僕は興奮を抑えきれずに、
木の枝を大きく振り、雄叫びを上げた。
彼女を愛してる。
あのおしりから出る、彼女の何とも言えないフェロモンが
僕を興奮させ、僕は何回もバク転を繰り返す。
ああ、僕はどうすればいいんだ。
そして、僕は考えた。
僕と彼女だけしか読めない絵を書こう。
そうすれば、誰にも邪魔されずに僕と彼女が意思の疎通ができるはずだ
長老にも、ボスにも、
特にボスには気をつけないと仲間はずれにされたら、
僕はきっとすぐにでも天敵の虎にでも殺されてしまうだろう。
僕は、僕の気持ちをこの大きな葉っぱに虫をすり潰して
僕と彼女にしか判らない絵を描いた。

やがて、僕らの絵は文字になった。
だって、僕らの愛がうまく実を結んで、
伝えなければならない事がどんどん増えていったからだ。
僕がふられていたら、きっとこの地球には文字ってものは無かっただろうね。
わずか、六千年前のお話である。

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