雨の中、ある軒先で雨宿りをしていると
あまがえるが私の目の前を通りかかり、
「おや、こんなよい天気に雨宿りとはもったいない」
というので、
「かえるのあなたにはよい天気でも、私には悪い天気なんですよ」と
言い返すと
「私(カエル)にとっては、あなた達の晴れの方がよっぽど住みずらいですけどね」
「そうでしょうね」
「ところで、傘をかしてあげましょう」といって
大きな葉っぱを手渡すので
「あいがとう、これで、濡れずに帰れます」と礼をいって家まで帰った。
梅雨も終わり、これから夏本番、からから太陽の季節となった今、
私のバックにいつも傘が入るようになった。
これは、かえるが日宿りしていた時に
日よけとして貸す、日傘である。
いつか、渡したいが、未だに彼にあっていない。

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