月の裏に住む犬

月の裏に住む犬は、
真っ赤な犬小屋に住んでいる。
犬小屋と言ってもとても美しくきらびやかだ。
真っ赤なイルミネーションがエレガントでとても美しい。
彼は何万年もご主人様を待っている。
携帯電話に似た機械から、
ご主人様から電話が掛かってくるのは100年に1度くらいだ。
その時は彼はとても美しい声で吠える。
聞くものによっては悲しく、あるものによっては楽しい
そんな声だそうだ。
犬とはいえ、何万年も月の裏側でご主人様を待ち続けるような犬だから
知能は、人間よりも数段上である。
その犬を主人にするものは、その犬の何倍もの聡明な頭脳を持っている。
人間などはまるで微生物のような存在、知能だそうだ。

そんなご主人が帰ってくると電話があった。
1万年後が待ちどおしい犬であった。

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