闇夜のうさぎ

僕が、君を好きな理由は、
ただ単に君が闇夜のうさぎだからであって、
君はこの暗闇の唯一の明かりなんだけど
それ故に、君はこの闇夜の世界の一番目立つ食料なんだ。
今まで、生きていたのが不思議なくらいの、弱い動物。
野犬が君ののど元で君を食いちぎる
ああ、また食べられてしまうんだね。
僕の声はどこまでも透明で無音で、
君のその赤い目から流れる涙とその表情は
どこまでも高く、誰よりも強くエクスタシーを感じてるような表情だ。
やがて、静かに目を閉じる
白い肌が、血に染まり、その光を放たなくなるんだね。
闇夜のウサギは美しく、もろいもの、
さよならは言わないけど、
君もこれで、自由なんだね。

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